
概要
コンクリートは現代社会の基盤素材ですが、その急速な生産拡大が砂資源の枯渇と気候変動を同時に深刻化させています。世界のコンクリート生産量は1990年から2020年にかけて約4倍に増え、2020年には年間約260億トンに達したと推定されました。これに伴う骨材(砂・砂利・採石)の必要量は、世界の化石燃料採掘量を上回る規模となっています。一方、クリンカー代替やエネルギー効率の改善によって、生産量当たりの炭素排出量は過去30年間で約20%削減されました。しかし、生産量の増加がその効果を上回り、コンクリート関連の炭素排出量は同期間に約3倍に増加しました。本研究は、砂資源の枯渇と気候変動に同時に対処するには、構造物の設計、建設、利用、廃棄の各段階を通じて、コンクリート需要そのものを抑える必要があることを示しました。
著者
Takuma Watari, Zhi Cao, André Cabrera Serrenho, and Jonathan Cullen
掲載誌
iScience, 2023, 26, 5, 106782, Link