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概要
本研究では、セメント・コンクリートの供給側と需要側における計16のCO2排出削減策を調査し、日本のセメント・コンクリート部門における2050年カーボンニュートラルの達成方法を検討しました。その結果、コンクリートの炭酸化によるCO2吸収量を加味し、エネルギー効率改善や燃料転換、セメント原料代替、低炭素型セメント、炭素回収利用技術(CCU)等の供給側における計9つの対策を仮に最大限に実施した場合でも、カーボンニュートラル達成に必要な排出削減量には約20%(約400万トン CO2)届かない可能性があることが示されました。しかし、素材を過剰に使用する設計の回避や、建設物の長期利用、共有化、都市機能の集約化、解体部品の再利用等を含む需要側における計7つの対策を組み合わせて早急に実施した場合、2050年カーボンニュートラルの達成が見込まれることが示唆されました。本研究の結果は、(1)需要側の対策をカーボンニュートラル戦略の中心の一つに位置付けること、(2)カーボンニュートラル目標と整合的な物質利用の計画・数値目標を設定すること、(3)コンクリートの炭酸化やCCUによるCO2吸収量の国家排出インベントリへの位置付けや勘定方法を早急に議論し合意することの重要性を示唆しています。
著者
Takuma Watari, Zhi Cao, Sho Hata, and Keisuke Nansai
掲載誌
Nature Communications, 2022, 13, 4158 Link