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概要
本研究では、全世界における鉄鋼・セメント産業を対象に、カーボンニュートラル達成に向けた将来像を検討しました。その結果、気温上昇を1.5℃から2℃未満に抑制するためのCO2排出許容量内で供給可能な鉄鋼とセメントは、将来の世界的需要に対して不足する可能性が高いことが示されました。これは、私たちの社会基盤を支える材料が豊富で安価に手に入る時代の終わりを示唆するとともに、同じ量の材料でより多くのサービスを提供するための資源効率性向上の取り組みの必要性を強調するものです。必要な資源効率性のレベルは技術開発やインフラ整備の進展度合いによりますが、本研究は製造業で約40%、建設業で約60%の資源効率性向上を1.5℃目標と整合的なベンチマークとして世界で初めて提案しました。その実現に向けては、鉄鋼やセメントが安価に入手可能な材料ではなくなる可能性を社会全体で共有し、産業間連携や政策的支援、社会システムそのもののあり方を早急に議論することが必要です。
著者
Takuma Watari, André Cabrera Serrenho, Lukas Gast, Jonathan Cullen, and Julian Allwood
掲載誌
Nature Communications, 2023, 14, 7895, Link