
概要
脱炭素戦略として電気自動車の普及が進められていますが、その拡大には大量のリチウムが必要です。では、将来のリチウム供給は、電気自動車の普及を十分に支えられるのでしょうか。本研究では、電気自動車の普及、リチウムの生産、使用済みバッテリーのリサイクルを統合的に分析しました。その結果、現在のリサイクル率が続けば、2030年代にはリチウムの供給制約が顕在化する可能性が示されました。リサイクル率を80%程度まで高めれば長期的には供給制約を大幅に緩和できますが、バッテリーが廃棄されるまでには時間がかかるため、2030年代の供給制約には対応できません。電気自動車の普及と同時並行で、短期的には鉱山からの一次供給を確保しながら、長期的には高い回収率とリサイクル能力を構築する必要があります。
著者
Takuma Watari, Keisuke Nansai, Kenichi Nakajima, Benjamin McLellan, Elsa Dominish and Damien Giurco
掲載誌
Environmental Science and Technology, 2019, 53, 20, 11657-11665 ; Link