世界的なエネルギー転換が誘発する関与物質総量

概要

再生可能エネルギーや電気自動車の普及は、化石燃料の使用を減らす一方で、鉱物資源の需要を増加させます。では、エネルギー転換によって、採掘時に発生する岩石や鉱山廃棄物まで含めた資源採掘の総量、すなわち関与物質総量は、どのように変化するのでしょうか。本研究では、15種類の発電技術と5種類の自動車を対象に、2050年までの鉱物資源とエネルギー資源の必要量を分析しました。その結果、鉱物需要に伴う関与物質総量は2015年から2050年にかけて、電力部門で最大約10倍、自動車部門で最大約8倍に増加する可能性が示されました。電力部門では、化石燃料利用の減少による削減効果が鉱物需要の増加を上回り、全体の関与物質総量を削減できる可能性があります。一方、自動車部門では、電気自動車に必要な銅、ニッケル、リチウム、コバルトなどの採掘負荷が、化石燃料利用の減少による効果を相殺する可能性があります。真に持続可能なエネルギー転換を実現するには、炭素排出量だけでなく、資源採掘に伴う隠れた物質フローまで含めて管理する必要があります。

著者

Takuma Watari, Benjamin McLellan, Damien Giurco, Elsa Dominish, Eiji Yamasue and Keisuke Nansai

掲載誌

Resource Conservation and Recycling, 2019, 148, 91-103, Link